長野県伊那市高遠町で食べる人とつくる人が共に農作物を自給する「LURA(Linkage of Urban and Rural lives by Agriculture)の会」を始めた百姓の宇野俊輔さんをゲストにお招きし、歩きながら1時間、対談する。
宇野俊輔 / 1955年大阪府生まれ。
大学院卒業後、建設コンサルタント会社に就職。ODA(政府開発援助)関連の部署でフィリピンの漁港建設プロジェクトに携わった。その際、プロジェクトの経済評価に、漁港建設予定地に住む人たちの移転費用も含むべきだと訴えたが、内政干渉だと取りあえってもらえなかった。もっと現場にあった仕事がしたいと、バ ナナやエビの民衆交易を行うATJ(オルター・トレード・ジャパン)に転職。
ATJではフィリピンから輸入していたバナナの現地担当となり、換金作物のバナナだけではなく自給作物をつくる活動にも携わった。その際、現地のある人に、「私たちは今まで自分たちの暮らしをまもるために、時には銃を取らざるを得なかった。だけども、今はバナナと農業の話で、自分たちの暮らしをまもろうとしている。だから暮らしをまもることは同じなんだ。私たちにとっ��、農業はライフルであ り、バナナはライフルの弾だ」 と言われた。その言葉に、食べ物は生きていく中での本当に根本で、農業は暮らしていく力をつけることだと気づいた。
この出来事をきっかけに、フィリピンの人たちの自立支援をしてきた自分自身は、果たして自立しているのかと考えるようになった。そして、自分で農業をやろうと45歳で決意し、現在の長野県伊那市へ移住した。
「食べ物をつくるのはすごいことなんだ」ということを実践し、共有したいという思いで、農業体験を行う「おてて倶楽部」を始めた。しかし、あくまでイベントや観光旅行の延長線上で、自分の暮らしを見つめ直す視点に至らなかった。
思い悩む中で、会員制のグループで自給するという考えに至り、2011年2月にLURAの会を設立。現在は約50世帯の会員たちと共に、食べ物と人と人との関係性がある場を、暮らしのベースとして築いている。
LURAの会HP
https://www.luranokai.com/
高橋さんと出会った際、私について書いてもらった文章
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