★☆楽曲データ☆★
『赤とんぼ』
作詞:三木露風
作曲:山田耕筰
編曲:仁木他喜雄
ボーイソプラノ:金子一雄
レコード番号:コロムビア26616
1931年11月新譜
★☆解説とコメント☆★
普段は刺激の強い動画を作る投稿者ですが、たまにはそういうのと距離を置いて穏やかで感動的な動画も投稿してみましょう。
投稿日が9月30日ともあって秋本番が迫ってきたので、ここらで「日本の秋」の風物詩『赤とんぼ』を、なんと1931年発売の日本初録音で、しかも当時の日本製蓄音機でお聴きください。
『赤とんぼ』は詩人の三木露風が1921年に発表し、山田耕筰による曲がつけられたのは1927年になってからのことです。歌っている金子一雄(1918~2012)は、主に戦前に活躍した童謡歌手で、ラジオ放送が始まった1924年には既にラジオで童謡を歌い1931年にレコードデビュー。レコードを聴いた山田が「この子は天才だ」と大きく才能を買い、1930年代を中心に録音を多数残したのちアジア・太平洋戦争に出征(最悪の戦場と言われる「インパール作戦」だそう)の後無事帰還、敗戦後は地元埼玉の公立高校で音楽教師を勤め、また市民合唱団の指導にもあたった、とのことです(以上、金子の遺族さんが自費出版された『歌とともに:金子一雄のこれまで』(2008年)による)。
このレコードを蓄音機で直に聴くと、あの山田耕筰が高く才能を評価するのもむべなるかなと言わんばかりの打ち震える美声に「衝撃」と「感動」を覚えるのですが、残念ながら「動画」ではその魅力が1/100も再現できないのが悔しいところです。
2021年9月30日投稿
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